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宇田川 昂; 貴家 恒男; 瀬口 忠男
DEI-91-134, p.41 - 47, 1991/12
核融合炉用超電導磁石の絶縁材料として期待されるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の機械特性に対する放射線の影響について、超音波顕微鏡(SAM)による非破壊観察をもとに考察した。本報告は比較的低い温度で硬化可能であり、かつ硬化物は耐熱性と耐放射線性が期待できる常温で液状の4官能エポキシ(テトラグリシジルm-キシレンジアミン)を母材とした硬化剤の異なる2種のGFRPについて調べた。三点曲げ試験による機械特性は、いずれも吸収線量30MGyを越えると低下し、77Kの曲げ強度はさらに低い線量から急激に低下した。無水メチルナジック酸で硬化したGFRPは繊維フィラメントの束と母材層との境界で剥離し、液状ジアミノジフェニルメタンで硬化したGFRPは積層樹脂間で剥離していることがSAM観察から明らかにされた。これらの欠陥は機械特性低下を招く直接的な原因になると解釈した。